会社四季報の達人が教える10倍株の探し方の感想レビュー

株式投資を始めるにあたり、とりあえず読んどこうというノリで購入した会社四季報の達人が教える10倍株の探し方の感想備忘録です。何処を見るべきポイントに絞るべきか、テンバガー狙いの探し方・見方なので方向性が違う方はスルーして良いと思いますが、初心者には十分参考になります。

大事なのは二次関数的な連想ゲーム

「オリンピック開催決定競技場・関連施設の建設=建設株」という単純な図式だけではダメだ。「建設会社に仕事がまわれば現場で必要になるものは何か」「現場労働者が潤うと何に消費するか」など、時代の波や想像力を豊かにして幅広く考えることがお宝銘柄にたどり着く近道。

時価総額に注目する理由

10倍株を探すときに重要なのは、株価が「何倍になる可能性があるのか?」だから。時価総額を決めるのは事業のポテンシャル…その会社が将来にわたって生み続ける利益を現在価値に割り引いたものとされる。

金融を除く東証1部全体では「時価総額÷売上高」は約1・09倍(2018年2月末)。これは株式市場全体で約10%の成長を織り込んでいると考えられる。ただし、この考え方は万能ではない。例えば、卸売りセクターは全体的にこの数字が極めて低い一方、売上高の伸びである増収率、さらに稼ぐ力を示す営業利益率も高い企業は、総じて「時価総額÷売上高」の数字は高い。

例えば、増収率が10%以上で営業利益率も10%以上の企業は、利益率を保ちながら売り上げを伸ばしてるといえ、その市場は成長途上にあり、今後に期待ができる証拠だろう。「時価総額/売上高」に着目して有望な株を探す方法もある。(図1-8)

ポイント① 成長性を示す増収率が高い

4年で売上高が2倍、年20%以上の増収を継続しているか。10倍株探しで、私が一番重視しているのは「急成長」だ。つまり「増収率」であり、その数字が20%以上のものが急成長していると考えている。

計算式は「増収率(%)=(今期売り上げ予想÷前期売上高×100)-100」(成長性を表す)

株を①低成長株、②優良株、③急成長株、④市況関連株、⑤業績回復株、⑥資産株の6つに分類して、特に急成長でかつ持続的かどうかもポイント。

売上高に注目する理由

売上高なくして利益は存在しない(図2-1)。市場の総量が大きく増えない中、限られたマーケットで売上を伸ばしていく方法は3つに限定される。

①業界内でのシェアを拡大
②既存マーケットを新商品で置き換える(イノベーションなど)
③飽和マーケットを飛び出し、新天地を求める(グローバル化など)→海外売上比率50%以上

ポイント② 稼ぐ力を示す営業利益率が高い

目安は営業利益率10%以上。

計算式は「営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100」(本業のもうけを表す)

営業利益率を高めるためには2つしかない。
①売上原価や人件費、販管費を引き下げる(コストカット)人はコスト。
②売上原価や人件費、販管費に利益を乗せて販売する(高く売る)人は財産。

ポイント③ オーナー経営者で筆頭株主

【役員】欄の社長、又は会長名が【株主】欄の上位株主にあること。(オーナーの持ち株会社名でもOK)人物像が把握できない場合は投資を控える。

ポイント⑤ 上場5年以内

10年前の段階で上場から5年未満が61%、経営形態はオーナー系・同族が80%、時価総額100億未満が60%を大半を占めていた。(図1-8)

ポイント⑥ 増資や株式分割について

株式併合には撤収、株式分割には成長や発展のイメージがある。【資本異動】欄に分1→2など記載される。株式分割を言い換えれば、株価が上がっているからとも言えるので、設立も上場も間もない会社で、株式分割を行っているのであれば、それだけで注目に値する。

ポイント⑦ PSR・PER・PBRの高さは気にしない

割高か割安かの比較指標だけで判断してれば、急成長株に投資する機会を見逃す。実際は割高の方が急成長株には多かった。

ポイント⑧ 買いは分散投資、売りはストーリーで決める

同程度の金額ずつ20銘柄に投資推奨。当然、自分で調べて納得した銘柄で、自信がないなら買わないほうがまし。

10倍銘柄の探し方

何十年ぶりの最高益銘柄に注目

過去最高純益を更新するとしばらくは最高益が続き、「バイオリズム」にあたる株価も最高値を更新することがよく見られる。「最高純益」を出した決算期と株価が「高値」をつけた時期を四季報で確認すると、過去最高益を出した時期をはさんで前後1年に株価も高値をつけるケースが非常に多い。

①安定的・着実に利益を積上げ、長年にわたり最高益を連続更新するタイプ。
②5~10年サイクルの循環に合わせ、前回ピークを更新するタイプ。
③長い期間、最高益と無縁だったが様々な要因で何十年かぶりに更新するタイプ。→会社が生まれ変わった可能性大。

PERで探す

PER=株価÷1株あたり利益(EPS) ⇒ 株価=PER×EPS
※株価が上がるにはPERかEPSが上がる必要がある。(高さは期待値の裏返し

PBR=株価÷1株当たりの純資産 ⇒ 株価=PBR×BPS
※株価が上がるにはPBRかBPSが上がる必要がある。

決済発表と四季報

①適時情報で決算短信をチェック(1ページ目とコメント欄に注目)
②決算短信と四季報春号の業績数字を比較
・売上高、営業利益の前期実績と今期予想(増収率、営業増収率、営業利益率は自分で計算)

増収率=求める決算期の売上高÷1期前の決済期の売上高
営業増収率=求める決算期の営業利益÷1期前の決済期の営業利益
営業利益率=求める決算期の営業利益÷求める決算期の売上高

これらを市場平均と比べて稼ぐ力と成長性を確認する。

相場の下落局面

下落局面で日経平均やTOPIX平均を大きく上回って下落した銘柄⇒戻り狙い(スクリーニング⇒検索条件に株価1~6か月の株価リターンを選択)
下落相場でもしっかり業績を上げている企業(業績予想⇒情報修正 前号比)
下落局面で自社株買いを実施すると発表した企業(最も安全な資金置き場は自社=商売に自信ありか)

相場に聞いてみる

検索条件⇒3か月リターン+年初来安値+年初来高値⇒3ヶ月リターンの大きい順にランキング作成。これにより業種分類がわかり、上昇率も確認できる。さらにコメントを確認するとより具体的な内容が見えるだろう。また、国策関連キーワードを検索するのも賢明な探し方になる。

四季報の見方

巻頭3ページの各号のポイントと巻末の編集後記(重要⇒市場別決算業績集計表やマザーズ新興市場/平均値を知る)
欄外の【業種】から気になるテーマの番号帯を見る

①A、B、E、J、Nの5ブロックは最低限確認すること。

分類する

成長株…増収率20%以上(売上が4年で2倍なら該当)
優良株…営業利益率10%以上
景気循環関連株…回復⇒拡張⇒後退⇒悪化のサイクルが繰り返しする鉄鋼や素材株、設備投資等
(減収増益で大底打ち⇒増収増益で続伸⇒増収減益で天井⇒減収減益で続落の流れ)
V字回復株…ずっと低迷した株が突如復活するタイプ
割安株…自己資本比率70%以上、PBR0.7倍以下がポイント。+有利子負債、キャッシュフローを確認。

10倍銘柄絞込み項目

①3期前から今期および来季増収率20%以上
②営業利益率10%以上
③オーナー経営で筆頭株主
④上場5年以内

その他のチェック項目

①時代の流れにマッチしてるか
②コメント欄(ビジネスモデル、世の中や会社が大きく転換するなど)
③突然伸び出す売上高などの業績
④財務状況(自己資本比率が50%以上、自由になるキャッシュなど)
⑤設立間もない会社で株式分割してれば注目
⑥自己資本率50%±20%
⑦PSR・PER・PBRは割高でもOK
⑧売るタイミングはストーリーが崩れた時(営業利益率10%を割ったなど)
⑨魅力、成長性、弱点の把握
⑩チャートの転換
⑪海外割合50%越えのタイミング企業は注目

まとめ

2000ページもある会社四季報を読破をするわけではなく、本当にどこからでもよいので、パラパラめくって、コメント、チャート、業績を見てほしい。1日5分でよい。「普通の人がその頭を三%も働かせれば、平均的なウォール街のプロと同等あるいはそれ以上にうまく投資できる。」ことが分かっているそうです。

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